ロゴ画像:いずみ くらし

ママパパの味方。子どもたちの居場所作りを支える「和泉小学校放課後キッズクラブ」

皆さん、「小1の壁」という言葉はご存知でしょうか。小学校入学に伴い、下校時間が早くなることや長期休暇の対応などで仕事と家庭の両立が難しくなる状況を指します。筆者も小1の壁に悩む当事者です。子どもを安全に見守る環境づくりが大きな課題となり、その課題を支える存在の一つが放課後キッズクラブです。利用者が増える一方で、スタッフの確保が難しくなる場面もあります。それでも現場では、子どもたちに少しでも豊かな放課後を届けようと工夫に満ちた取り組みが続けられています。

 

ぬり絵で遊ぶ子どもたち。それぞれ好きなことをして楽しんでいます

 

 

学校の中にある「放課後の居場所」

 

放課後キッズクラブは横浜市の事業で、小学校の施設内で「全ての子どもたちを対象に無償で遊びの場を提供すること」「留守家庭児童を対象に生活の場を提供すること」を目的としています。2004(平成16)年度に市が運営主体に対して補助金を交付する形で開始、2020(令和2)年には横浜市の全ての小学校に設置されています。

 

対象者は当該実施校に通学する1〜6年生で、日曜日、祝日、年末年始を除き開所しています。利用時間は平日の放課後から19時まで、土曜日は8時30分から19時まで、学校休業日は8時から19時までとなっています。

 

放課後キッズクラブは各小学校により運営団体が異なり、取材時点(2025年度)では、和泉小学校放課後キッズクラブの運営は公益財団法人よこはまユース(横浜市中区)が担っています。1日平均50名前後の利用があり、運営体制としては6~7名(放課後児童支援員と補助員で構成)のスタッフで対応しています。スタッフの方々は研修を受け、資質向上に努めているそうです。

 

スタッフに将棋を教わる子どもたち。吸収力が早いそうです!

 

 

子どもたちを飽きさせない工夫

 

今回は、和泉小学校放課後キッズクラブ主任の谷口真一さんにお話を聞いてきました。和泉小学校では校舎の中の一室がキッズクラブとなっており、学校が終わると外に出ることなくそのままキッズクラブへ移動することができます。当日(11月下旬)は14時から取材を始めたのですが、続々と子どもたちがやってきて「何しに来たの?」「一緒に遊ぼうよ!」と筆者に声をかけてくれ、明るい話し声が響いていました。

 

キッズクラブにやってきた子どもたちは基本的には自由に過ごしています。「見ていると面白くて、最初に遊びだす子もいれば、宿題を片づけちゃう子もいる。自分でリズムができていくんですね」と話す谷口さん。キッズクラブ内にはたくさんの遊び道具があります。ぬりえ、折り紙、漫画、おままごと、ジェンガ、ブロック、ロボット、ボウリング、リリアン、人生ゲームetc…「これからの時期ですと、クリスマスリース作りや飛び出すクリスマスカード、獅子舞の折り紙などを行います」とのことで、季節ごとにさまざまなプログラムが用意されています。

 

キッズクラブ内にはたくさんのおもちゃが用意してあります。自分の作品を見せてくれるお子さんもいました

スタッフ手作りのおままごとグッズ

 

夏休みなどの学校休業日は8時から19時まで開所しています。夏休みは特に、手芸のお弁当作り、うちわ作り、紙粘土のスイーツ作り、プラバン遊びなどの工作を週替わりで用意し、子どもたちを飽きさせない工夫をしているそう。

 

15時を過ぎると、谷口さんが「体育館に行きたい子は廊下に並んで~!」と声をかけます。スタッフの引率で体育館まで移動し、バスケットボールやドッジボールを楽しむ子どもたちの様子がみられました。

 

体育館でバスケットボールを楽しむ子どもたち。天気の良い日は校庭で遊ぶことも

 

子どもたちの成長について谷口さんはこう話しています。「1年生から2年生が一番成長しますかね。知り合いの先生が『まるで怪獣のようにわんぱくだった子どもが、しっかりとした人間に成長するのを見るようだ』と言っていて、私も実感します。遊びを教えてあげると子ども同士で遊ぶようになって、上達する子はすごいです。大人もかなわなくなりますね」。筆者も我が子の成長を見て、宇宙人から人間らしくなってきたなと感じたことがあります(笑)。日々成長していく子どもたちの様子を保護者だけでなくスタッフの方と共有できるのも、保護者の立場からするととても心強いですね。

 

子どもたちのためにさまざまな工夫を凝らしている同キッズクラブですが、現場ではこんな課題もあるようです。「子どもたちが安心して過ごせるよう、できるだけ多くのスタッフを配置し、緊急時に備えて近隣在住者の採用にも努めています。しかし昨今の人手不足の影響もあり、その確保もなかなかに苦労しています」。子どもたちの居場所作りを支えるためにも地域の方の雇用が欠かせないと感じました。多くの人に現状を知ってもらうことが大切だと思いました。

 

漫画もたくさんあります。夢中で読んでいる子どもたち

 

 

地域や家庭とともにつくる「放課後のもう一つの家」

 

年に2回の保護者会や、工作や走り方教室などの保護者同伴プログラムも実施しています。「保護者の方もすごく気を遣って協力していただいてるんだなとわかります」と話す谷口さん。普段からのスタッフの対応や接し方があるからこそ良い関係を築けているのではと筆者は感じました。

 

また、地域との関わりとして横浜銀行さんの協力でお金クイズなどのイベントも実施しました。夏休みには、近所の町内会長さんの協力で交通安全教室として『ジャングル大帝』や『キャプテン翼』といったアニメの16㎜フィルムの上映会も開催されたそうです。

 

和泉小学校放課後キッズクラブは、子どもたちが安心してのびのび過ごせる“放課後のもう一つの家”のような場所でした。共働きや核家族が増えるなかで、子どもが放課後を安心して過ごせる場所があることは、保護者にとって大きな支えだと思います。遊びや学びを通して子どもたちが自然と笑顔になれる居場所であり、スタッフの温かい見守りがあるからこそ、家庭とも学校とも違う豊かな時間が生まれているのです。

 

スタッフと子どもたちで作った壁面飾り

 

 

写真・文=中里聡乃(泉区ローカルライター)

 

和泉小学校放課後キッズクラブ

電話&FAX 045-804-5100

メール izumi-kids@aroma.ocn.ne.jp

(公財)よこはまユース

所在地 横浜市中区太田町2-23

電話  045-662-7646

記事
一覧をみる
ページのトップに移動するリンクアイコン