「デジタルdeスタンプラリー」集めて見つけた地域の魅力!
泉区では毎年さまざまなスタンプラリー企画が開催されているのをご存じでしょうか? 区内で買い物や食事をして冊子にスタンプをもらう従来型スタンプラリーに加え、今年はスマホで参加できるデジタル型スタンプラリーも初開催。私もこの企画に参加したことで普段なかなか行かない場所を訪れ、お店の方とお話したり、仲間ができたりと嬉しい出会いが沢山ありました。誰がどんな思いで企画・参加されたのか気になり、今回はこの「デジタルdeスタンプラリー」について、主催した泉区区政推進課と参加された地元商店の皆さんにお話を伺いました。
はじめての試み「デジタルdeスタンプラリー」で楽しく定住促進を
今年9月に開催された「住むなら泉区!魅力発見デジタルdeスタンプラリー1期」では泉区マスコットキャラクターいっずんが愛らしい動きをする楽しいイベントページがウェブ上に開設されました。事前にスマホで特設ページにアクセスして参加登録し、区内各ポイントに掲示されている二次元コードを読み取ることでスタンプを集めます。マップで各ポイントの位置や外観写真も確認でき、条件を達成するとプレゼントに応募できます。参加しやすい「いずみめぐり賞」に加え、20カ所以上巡る「いずみマスター賞」もあり、難易度は自分で選べます。抽選で当たる景品は種類が豊富で、外れても抽選でWチャンスがあるのも嬉しいです。
泉区は他区より早く人口減少したこともあり、定住・転入を促進する事業に力を入れています。今年7月に大規模複合商業施設「ゆめが丘ソラトス」が開業したことで新たなにぎわいが創出され、これを契機に区内外の多くの方に泉区の魅力を知ってもらおうと企画されたのがデジタルdeスタンプラリーです。スマホで簡単に参加できて幅広い世代が親しみやすいつくりになっており、デジタルに特化したのにはペーパーレスによる「脱炭素化」や、スマホの有効活用による「DX(デジタルトランスフォーメーション、デジタル技術で生活をより良いものへと変革すること)推進」の意味合いもあります。
広い泉区内を周遊してもらうためラリーポイントに公園や地産地消サポート店も含めたほか、各商店会の会長さんから声がけをして、飲食店に限らず多様な商店に積極的に参加してもらっています。普段は通り過ぎてしまうお店に目的をもって入ることができ、実際に多くの方から「行ったことのない店に行くきっかけになった」「区外の人に教えたら参加してくれた」「歩くことは健康にいい」「電車やバスを利用していつもと違う風景を楽しめた」という声が寄せられたそうです。
泉区は本当によいところ。区民の人柄にふれ、地域に愛着を感じてほしい
泉区は水と緑が多く、農業が盛んで食べ物は新鮮でおいしい! 一方で都市の利便性も併せもち、鉄道は2路線9駅あり都心へのアクセスも良好です。「区民の皆さんも優しく前向きな姿勢で企画に参加してくださる」と志澤さん。「スタンプラリーをきっかけにその魅力を知ってもらい、転入する方を増やして定住につなげたい」。そんな情熱をもってお仕事されている姿が印象的でした。
スタンプラリーはきっかけ、顔をみて挨拶を交わせる場所でありたい
初の試みであるデジタルdeスタンプラリーに参加されたお店の方々にもお話を伺いました。
中田駅前でラーメン店を経営する「らぁ麺みつは」店主・文山道成さんは修業を経て2022年に開店後、なかだ商店会会長さんがきっかけで商店会に加入。日頃は中田駅を利用する方や近隣でお仕事をされている方の利用が多い中、今回は「いずみマスター賞」めざし足を延ばして来店してくれた方も多かったそうです。
「2回目、3回目と来てくれるのが嬉しい」と文山さん。地域の皆さんと月に1回でも顔をみて挨拶を交わせるような場所にしたい、そんな思いで区や商店街主催のイベントに積極的に参加されています。12月からのスタンプラリー期間中には、この冬の限定メニュー「汁なし担々麺」と「担々麺」もお楽しみいただけます。
参加店舗がカレーメニューを提供する夏恒例の「いっずんカレースタンプラリー」は反響が大きく、この企画のために開発した「カレーまぜそば」をはじめ、「地域の食の選択肢を増やしたい」「常連さんを大切にしたい」思いで「定番の力強さ」と「限定で飽きさせない」商品開発をしているそうです。デジタル企画について、認知度はまだ高くないものの、カレー企画のように回を重ねるごとに盛り上げていくために参加を決意。継続していくことで地域の方に知ってもらい、来店するきっかけになればと期待されていました。
大人からこどもまで、ひとりでもみんなでも、誰もが楽しいスタンプラリー
弥生台の洋菓子店「パティスリーランコントル」を経営するパティシェのご夫婦、新井嘉弘さんと裕子さん。ゆったりした弥生台の街並みを気に入り開業して18年、フランス語で「出会い」を意味する店名の通り、この地で人との出会い、ケーキとの出会いを大切にしてきました。商品に使うすべての卵を泉区内にある大矢養鶏さんの新鮮な卵にしており「よこはま地産地消サポート店」としてデジタルdeスタンプラリー企画に参加、大きな反響があり交流も生まれたそうです。
スタンプラリーを目的に多くの方が来店され、夫婦や家族で来る方、洋菓子店に入りにくいと思われた男性1人での来店も少なくなかったとか。「皆さんとっても楽しんでいた!」と裕子さん。開催時期が夏休み明けのため「あまりお金をかけず、近場で親子が一緒に楽しめるイベントは嬉しい」と子育て世代ならではの視点に私も共感しました。
企画について「日々の営業で多忙であるため、行政が地域活性する企画を展開してくれることは有難く、店側が準備するものは二次元コードだけで気軽に参加できる」「ジャンル分けが上手く、飲食店以外の選択肢があり1度に複数個所を巡ることができる」「商品をテイクアウトできることも大きい」と嘉弘さん。
「この機会に巡って泉区内で経済が回るとよい、地サポ店として貢献できたら」と地域への思いを教えてくださいました。
地域と共に育て、よりにぎわう街へ
スタンプラリーは受け身でなく自ら「集める」「発見する」という能動的な行為そのものが楽しく、ゴールが「明確」かつ「選択肢がある」ことも幅広い層に受け入れられた要因かもしれないと感じました。「選択肢が増える=情報量が増える」ことでもあり、その点もデジタル化することで企画する側も参加する側も「やりやすい」つくりになった印象です。
今回の取材を通して、自治体主催の企画は「提供して終わり」ではなく「地域と共に育てていく」ものだと気づきました。景品に応募して終わった~! とひと息ついた後には「地域の魅力をよく知る自分」と「いろんな顔が浮かび言葉を交わす関係」が残りました。区外から泉区に転入してきた私には、地域に参加するよいきっかけとなり、もっと知りたい!という意欲に満ちています。
「住むなら泉区!」皆さんも魅力いっぱいの泉区を一緒に巡ってみませんか?
「住むなら泉区!魅力発見デジタルdeスタンプラリー2期」は2024年12月13日~2025年1月12日開催中です。
##ライタークレジット:
写真・文=横山真由美(泉区ローカルライター)
##Information:
「住むなら泉区!」魅力発見デジタルdeスタンプラリー (mobicp.jp)
https://mobicp.jp/sumunaraizumiku_rally/
泉区役所区政推進課 企画調整係
住所:横浜市泉区和泉中央北5-1-1(泉区総合庁舎3階307番窓口)
開庁時間:平日8:45~17:00(祝日・休日・12月29日から1月3日を除く)
電話番号:045-800-2331
ホームページ:https://www.city.yokohama.lg.jp/izumi/
らぁ麵みつは
住所:横浜市泉区中田東3-1-8
営業時間:火曜~土曜11:30~15:00 18:00~22:00、日曜ランチのみ
定休日:月曜日、売切れ時は早く閉店(Xで確認)
電話番号:045-443-5477
X:https://x.com/mitsuha_045
Patisserie RENCONTRE(パティスリー ランコントル)
住所:横浜市泉区弥生台29-1 弥生台二番館103
営業時間:10:00〜19:00
定休日:水曜日(祝日の場合は翌日休み)
電話番号:045-810-1171
Instagram:https://www.instagram.com/rencontre.cake/
※このコーナーの記事は、泉区が大好きな「泉区ローカルライター」が、区民の目線で取材し、執筆しています。
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