ロゴ画像:いずみ くらし

相鉄いずみ野線いずみ野駅前に「夕方マルシェキッチン」がオープン!社会課題をマルシェで解決!

※「夕方マルシェキッチン」は令和5年8月に閉店しました。

 

2023年2月23日、いずみ野駅前に「夕方マルシェキッチン」がオープンしました。夕方マルシェキッチンでは食事を楽しんだり、お惣菜やお菓子・調味料などの加工食品、お野菜を購入したりできます。おすすめの商品を紹介できたらと取材に向かった私は、夕方マルシェを展開する株式会社Woo-By.Style(ウッビースタイル)社長・野村美由紀さんの地域への想いにすっかり惚れ込んでしまいました。

 

お惣菜、加工食品が並ぶ店内。商品のおすすめポイントや調理法などが書かれたPOPは、食卓に新しい楽しみをもたらしてくれそうです。ポップコーンの味の種類が豊富!地産地消のポップコーンを試作し、美味しいものに絞った結果がこのラインナップとのこと。2023年3月現在、12種類の味が楽しめます

 

インタビューに答えてくださったウッビースタイル代表取締役の野村美由紀さん。笑顔の絶えない方です。社員やパートさんと冗談を言い合っていて、一見した限りでは社長とは分からないほどの親しみやすさ(笑)

 

 

おすすめ1)おかずスープ

 

おかずスープ(イートインで税込み440円)。この日は野菜が入ったコンソメスープと、バターナッツのポタージュを選ぶことができました

 

おかずスープは、野菜が主役の具だくさんスープ。この日は、大根・長ネギ・にんじん(白・黄色・オレンジの3種類)・トマト・白菜・カブ・大根の葉が存在感のある大きさにカットされ、コンソメベースのスープで煮込まれていました。さまざまな野菜のエキスが溶け込んだスープは甘味があり、ほっとする味でした。野村さんは「子育て中や高齢者の方に、一食分ラクをさせてあげたい。野菜たっぷりの、家庭的な温かい味わいのご飯で、食べてくださる方を応援したい」と話してくれました。

 

おかずスープの野菜は、横浜市内で生産された規格外の野菜を、あえて選んで購入しているそうです。「夕方マルシェキッチンで食事をすることで地産地消やフードロス問題に知らないうちに貢献している仕組みです」。野村さんは輝くような笑顔で教えてくれました。

 

写真はある日の「お食事セット」(イートインで税込み748円)。本日のミニおかずスープは、トマトかコンソメ味でした。写真はトマト味

 

 

おすすめ2)どんぐりクッキーと猫のクッキー

 

まちふくどんぐりクッキー(左手前:税込み280円)、はまねこクッキー(右手前:税込み200円)。どんぐりクッキーは、公園で集められ焼却されてしまうどんぐりを福祉作業所が引き取り、粉末にしてクッキーに入れています。エネルギーも削減できて一石二鳥です

 

「まちふくどんぐりクッキー」と「はまねこクッキー」はどちらも福祉作業所が手がけているお菓子です。「本当においしいんです!おすすめです」。野村さんの力強い言葉に後押しされ、購入してみました。

 

どんぐりクッキーは甘さの加減がやさしく、懐かしさを覚える味でした。クッキーがホロホロと砕ける食感も本当においしい!一方、はまねこクッキーは硬さがあり、小麦やココアの味をしっかりと感じられるクッキーでした。同じように見える猫のキャラクターも、よく見ると表情が一つひとつ違っていて楽しめます。

 

「どちらの福祉作業所も、いい商品をつくろうと精一杯取り組んでいます。お客様に十分満足いただける商品なので、夕方マルシェでは福祉作業所の商品であることを特にアピールしていません」と野村さん。

 

夕方マルシェキッチンでも、障がい者の方が一緒に働いています。障がいを持つ家族と生活を共にした経験がある野村さんは、障がいについて特別にしすぎない、独自の考えを持っています。「障がい・介護・子育て……それぞれみんな事情が違います。例えば『指がないから細かい作業ができない』と『17:00以降は働けない』は、種類が違うだけで、条件付きで働いていることは同じ。それぞれの条件を持ち寄って、力を組み合わせれば、チームでいい仕事ができます」。

 

 

おすすめ3)供給過多や規格外の食品を使った限定品

 

オレンジティー(税込み275円)。スライスして乾燥させたオレンジが紅茶の中に入っています。

 

夕方マルシェキッチンは地域の生産者や事業者とつながって、供給過多や規格外の新鮮な野菜や果物を仕入れています。このオレンジティーはその一つ。在庫が溢れてしまったオレンジを地域の事業者から買い取り、店内にある乾燥器にかけてドライフルーツにし、紅茶に入れて提供しています。

 

フードロスを出したくない夕方マルシェキッチンでは、食材をそのまま調理するだけでなく、乾燥させたり粉砕したりと、あの手この手でロスを防いでいます。その甲斐あって、野菜の皮や傷んでいる部分を除き、開店から5日間は食品のロスが発生してないそうです。店頭にならぶ規格外野菜を眺めながら野村さんは「店舗でロスを出さない、いい流れができました。この野菜たちは、捨てずに最後まで味わってもらえる『本当にしあわせな子たち』なんです」と嬉しそうに微笑みました。

 

ドライオレンジがなくなったら、店頭から姿を消してしまうオレンジティー。オレンジの香りと酸味がぐっと引き出された紅茶です。お砂糖を入れると甘さと酸味のバランスがよく、おしゃれなティータイムにぴったり。ぜひお試しください!

 

 

「地域の方の生活リズムを守りたい」いずみ野店を急ピッチで開店した経緯

 

野村さんは、2020年に新型コロナウィルス流行の影響を受けた取引先を巻き込んで、マルシェを作ろうと計画しました。飲食店の休業や給食の中止によるフードロス問題の一助になりたい思いもありました。2022年7月、横浜市役所にて「夕方マルシェ」を開催し、その評判から二俣川、星川へと事業は徐々に広がっていきました。

 

横浜市役所で開催されている「夕方マルシェ」。毎週木曜日16:30〜19:30まで。マルシェは、供給過多で店舗に出荷できなかった野菜を販売するため、夕方からの開催に。市役所職員からは「帰り際に買い物ができて有難い」と重宝されています(野村さん提供)

 

2023年1月中旬、野菜や果物の粉砕・乾燥などができる場所を探していた矢先、いずみ野の店舗を紹介され、約1カ月後には「夕方マルシェキッチン」(いずみ野店)を開店。それまでは、特設スペースでの曜日ごとの開催でした。いずみ野は初めての常設店。看板も整わないうちに開店を急いだのには理由がありました。

 

「一つはいずみ野駅の正面に立地しているからです。駅のイメージを左右するので長い間閉めたままにしたくはなかった。もう一つは、前店舗の『ど根性キッチン』を利用してきた方々の生活スタイルを守りたい思いがあるからです。毎日一食はここで召し上がっていた方も多く、その中には認知症の方もいらっしゃいました。ご年配の方を中心とした会合が、毎月開かれている場所でもありました。私は今は3世代で、多い時は4世代で生活をしてきました。ご年配の方は、生活スタイルの変化で体調を崩してしまうこともあり、いつものリズムが大切であることを実体験で分かっているんです」

 

味や商品に妥協せずにお客様の満足を追求しながら、地域貢献に真摯に取り組む野村さん。そんな野村さんの人柄が伝わるのか、夕方マルシェキッチンでは、会話をしながら買い物を楽しんでいる様子があちこちでみられます。

 

開店初日の様子。写真には写っていませんが、入口の上方に前店舗の看板がそのまま掲げられています

 

規格外野菜は3袋で500円(税込み)。すぐに売れてしまうため、開店中に近隣農家さんから仕入れることもしばしば

 

お客様と従業員が会話している様子。夕方マルシェキッチンでは、よくある買い物風景。珍しい野菜は、調理の仕方をお店の方に聞いてみてくださいね!

 

 

##ライタークレジット:

写真・文=松本 裕美枝(泉区ローカルライター)

 

 

##Information

夕方マルシェキッチン(運営;株式会社Woo-By.Style)

イートイン&テイクアウトのお食事、規格外生鮮野菜、加工品(調味料・お菓子・惣菜・飲料など)

※加工品は地産地消に特化したもの・規格外野菜を使用したもの・消費期限が近づいたものを主に扱っています

https://hometownfes.com/yugata-marche/

営業時間:11:00~19:00(L.O18:00)

定休日:木曜日

住所:横浜市泉区和泉町6214-1(相鉄いずみ野線いずみ野駅北口前)

Woo-By.Style[公式ライン]

夕方マルシェ[インスタグラム]

 

 

※このコーナーの記事は、泉区が大好きな「泉区ローカルライター」が、区民の目線で取材し、執筆しています。

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