ロゴ画像:いずみ くらし

自転車でどこへでも。シェアサイクル「横浜市広域シェアサイクル事業社会実験baybike(広域)」を使って泉区をポタリングしてみました

ポタリングという言葉をご存知でしょうか。自転車を使って散歩のように自由に回ることを示す意味で、英語でのんびりブラブラする意味の「putter」に由来する言葉です。最近、泉区にポタリングの強い味方が現れました。設置されたポート(貸出用の自転車が置いてある場所)にある電動アシストの自転車を時間単位で借りられる、シェアサイクルです。今回、泉区ローカルライター仲間にシェアサイクルを使って泉区をポタリングしてもらい、その様子を同行取材しました。

 

シェアサイクルを使って今日はどこへ行こうかな。相談中の松本さん親子。お天気にも恵まれました!

 

 

ベイバイクでいよいよスタート!泉区の北からほぼ南端を目指すプランにライターはちょっと不安

 

最近、区内の駅前やショッピングセンター、区役所など公共施設の片隅に、グレーの看板と共に赤い自転車が置かれているのを見かけた方もいらっしゃるのではないでしょうか。これまで横浜都心部を中心に展開されていたベイバイクが、横浜市の広域シェアサイクル事業社会実験として2022年7月から泉区でも展開され、一気にポートが増えました。

 

設置されたサイクルポートに置かれた看板。グレーに赤のアクセントの入った看板、「そう言われれば見たことある!」という方も多いのでは?

 

さて、天気も良い2月のとある日、ポートがある相鉄いずみ野線いずみ野駅前に集合。ポタリングするのは、泉区ローカルライターとして「かけはし」や「宮ノ前テラス」の記事を書いた松本裕美枝さんとその2人のお子さんです。「あ、こんな所にポートがあったのですね。時々見る場所なのに、ベイバイクがあると全然気づかなかった」と松本さん。今回は「使ってみたいけど、最初にまず何をすればよいのか、実際に使うときの操作が分からない」と松本さんからあらかじめお話があったので、まずお手伝いしつつサービス登録からスタート。と言っても、事前にアプリをダウンロードし「よくある会員登録をするだけ」(松本さん談)なのですぐに完了しました。いよいよ自転車を借りるのですが、まずその前に今日はどこを回るのか相談します。

 

自分たちの自転車に乗るお子さんたちも交えて話した結果、なんと泉区の南端に近い天王森泉公園を目指すことに。北側にあるいずみ野駅から泉区をほぼ南北に縦断しますが、その距離、およそ5km。本当に大丈夫でしょうか。その様子を見てちょっと不安になったライターは「帰りにアイスクリームを食べよう!」とお子さんたちが頑張れる目標も決めて出発しました。いずみ野駅からは起伏が少なく走りやすい和泉川沿いを目指します。

 

「出発してすぐ、ふと木のシルエットが目に留まって、自転車を止めて撮りました」と松本さん(撮影:松本裕美枝さん)

 

和泉川沿いを南へ、和泉遊水地に差し掛かったあたりで自転車が止まりました。川沿いの緑地に切り株が数本と、川に降りる階段がある場所です。2人のお子さんたちは、切り株が気になったそうです。川に降りる階段をゆっくりと下りて川面に近づきます。「もっと整備され尽くされているのかと思ったら、案外川との距離が近い場所もあるのですね」と松本さん

 

和泉川沿いにあった切り株を見つけて駆け寄り上る子どもたち。ふと気になるものを見つけてすぐに立ち寄れるのも、ポタリングの楽しさです

 

再び自転車を漕ぎ始めると、相鉄いずみ野線いずみ中央駅前に水で遊べる広場「地蔵原の水辺」が。お子さんたちはまた止まりかけますが、「ここには帰りに寄ろうね」と約束して、そのまま進みます。すると、川沿いに菜の花が。もう春の兆しが泉区で感じられます。

 

「あ、菜の花!」思わず自転車を停めてしまいます。寒い日もありますが、風を受けて季節を感じられるのも、自転車ならでは

 

 

天王森泉公園まで本当に自転車で行けました!目的地に到着した充実感と里山の公園で過ごすひととき

 

和泉川沿いを南へ進むと徐々に田畑や昔ながらの農家が増え、環状4号線を越えるといよいよ天王森泉公園です。いずみ野駅からあちこち寄り道しながら約2時間。ポタリングを通り越して本格的なサイクリングになってきた感もありますが、無事目的地に到着しました。「今回は久しぶりの自転車で、好きなこの公園へ来られました。良かった!」と松本さん。以前自転車を持っていたものの、ある時壊れて以来乗る機会がなかったそうです。

 

天王森泉公園に到着。古くて大きな建物にわくわくする子どもたち。この建物の裏手に竹林やわさび田があります

 

結論から言えば、天王森泉公園はポタリングの目的地にふさわしい、素晴らしい場所でした。入口前にあるかつて製糸場として使われていた建物は、懐かしい気分になる落ち着いた歴史を感じる建物でしたし(お子さんたちにとっては、かくれんぼの良い会場だった模様です)、園内の竹林や見晴らしの丘にかつて谷戸だった自然を感じつつ、気持ちの良い空気に当たることができました。鳥の巣箱を見ていると、まるで遠くの山まで来たかのようですが、ここは泉区。しかもここには湧水を使ったわさび田もあるのです。昔の泉区の暮らしを切り取ったかのような面白い公園です。天王森泉公園の良さをお伝えするだけで記事が終わってしまいそうなので、先を急ぎます。

 

横濱アイス工房ゆめが丘店の美味しいアイスクリームで元気を回復。この日は暖かくて、アイスクリーム日和でした。この後はゆめが丘から泉区役所へ向かうだけ。あと少しです!

 

さて、ここからは帰り道。まずは約束の美味しいアイスクリームを目指して自転車を進ませます。目指すお店は、天王森泉公園から少し戻った場所にある、よこはま地産地消サポート店の横濱アイス工房ゆめが丘店。今日はお天気も良くて春のような陽気です。きっとアイスクリームも美味しいはず。少し上り坂ですが、頑張りましょう! でも本当のことを言うと、ベイバイクは電動アシスト自転車なので大人は子どもたちよりちょっと楽をしているのです。

 

泉区役所のポートで自転車を返却。長い道のり、おつかれさまでした

 

アイスクリームを味わった後は再び和泉川沿いに戻って、行きで約束した地蔵原の水辺へ。その前に一旦、大人たちは泉区役所のポートで自転車を返します。実は、これがシェアサイクルの大きなメリットで、目的地の近くや帰りやすい場所、または疲れてしまった場合に、借りた場所と違うポートで返却できるのです。自分の家から自転車で行くと必ず自宅まで戻らねばなりませんが、シェアサイクルなら、使いたい場所、時間だけ自転車を使えるのです。

 

サイズが小さいお子さんたちの自転車は車に載せられるので、松本さんが迎えに来てもらえるようご家族に連絡を。その間、お待ちかねの地蔵原の水辺に戻って遊びながら待ちましょう。疲れたそぶりを見せていたお子さんたちも、水辺へ戻ると途端に元気になった様子です。

 

自転車を返した後は地蔵原の水辺へ。あんなに自転車で走ったのに、駆けていく子どもたちの元気さに驚きました

 

 

最初は取っつきにくいけど、使いこなすと手放せない。動きの自由度が高まるベイバイク

 

松本さんに、ベイバイクを実際に使ってみた感想を尋ねてみました。最初大変だと思っていた登録は案外簡単でしたが、実際に自転車を借りる、また返す操作が「一度やってみれば簡単だけど、最初は横で教えてもらわないと分からなかった」と感じたそうです。「ポートがもう少し自宅近くにもあれば」とは思いつつ「今日は天気が良いから自転車で、と気分転換にもなりますし、何より移動手段に選択肢があって自由に選べるのが良いです。また使います」とのことでした。

 

今回は少し遠出しましたが、もう少し短い距離を、例えば直通するバスがない立場駅と弥生台駅の間を移動する、という使い方も実用的です。バスや電車だと乗り換えが必要で遠回りなルートをショートカットしつつ、左右が畑の広い風景が広がる道を走ったり、少し寄り道して富士山がよく見える場所を通ってみたりと、ポタリングと移動を兼ねて使うのがライターおすすめの使い方です。電動アシストなので上り坂も楽ですし、行きまたは帰り道だけで使えるのも便利な点です。

 

「こんなに今日は走ったんだね」と地図を見ながらふりかえり。身近な範囲に面白いもの、楽しい場所がたくさんありました

 

最後にベイバイクを安全に利用するための主な確認点をお伝えします。まず電動アシスト自転車なのでバッテリー残量をチェック、ハンドルやブレーキ、ベルが壊れていないか、操作パネルがちゃんと作動するか、タイヤがパンクしていないか、サドル(椅子)の調節が可能か、などを、ぜひ確認してみてください。利用料金は、最初の30分165円の1回会員のほかに、月額会員や1日パスもあります。また、ヘルメットの着用など自転車を乗る上での注意点もあります。ベイバイクのサイトに説明が載っていますので、乗る前にぜひ一度ご覧ください。

 

乗る前の点検や調整、忘れずに!

 

また、泉区内には、ほかの事業者のシェアサイクルが、区内の駅4カ所の駅前に設置されています。両サービスは相互の利用ができませんが、料金や利用可能な範囲などに違いがあります。特徴をよく捉えて使うと便利です。

 

みなさんもぜひシェアサイクルでお気に入りの場所を発見したり、便利な移動手段としてお使いになられてはいかがでしょうか。今までになかった新しい乗り物の良さ、便利さを感じられますよ。

 

 

##ライタークレジット:

写真・文=一柳亮太(泉区ローカルライター)

 

 

##Information

横浜市広域シェアサイクル事業社会実験 baybike(広域)

https://docomo-cycle.jp/yokohama-chubu/

 

シェアサイクル(泉区役所のサイト、分かりやすい利用促進リーフレットもあります)
https://www.city.yokohama.lg.jp/izumi/kurashi/machizukuri_kankyo/midori_eco/sharecycle.html

 

泉区内のサイクルポート:TSUTAYABOOKSTORE弥生台、相鉄ライフいずみ野、中田駅第二駐輪場、立場駅駐輪場、泉区役所、上飯田地区センター、中川地区センター(月~土:午前9時~午後9時、日・祝日:午前9時~午後5時)、相鉄ローゼン山手台店、ドコモショップ立場店(午前10時~午後7時) 時刻の無いポートは24時間利用可能 掲載情報は令和5年2月時点のもの

 

 

※このコーナーの記事は、泉区が大好きな「泉区ローカルライター」が、区民の目線で取材し、執筆しています。

 

 

 

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