ロゴ画像:いずみ くらし

Chai 立場店

ちゃい たてばてん

ジャンル
洋食
営業時間
11:00~15:00、17:00~22:30
休業日
年中無休
住所
泉区中田北1-1-3アークヒルズいずみ2F
TEL
045-800-6045
HP
https://ameblo.jp/namastechan/
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インドカレーの新境地を切り開く「チャイ立場店」。その味を支える、シェフの原体験と泉区の人々の優しさ

 

 

 

本場インドカレーの魅力を最大限に生かし、日本におけるインドカレーの新境地を切り開く店が横浜市泉区にあります。

 

チャイ立場店は、横浜市営地下鉄ブルーライン立場駅から徒歩3分。ネパール出身の料理人カトリ チェトリ ビム バハドゥルさん(以下、「ビムさん」)がメインシェフを務めるインド料理専門店です。

 

ビムさんはドバイの一流ホテルで修業を積んで、来日。朗らかなお人柄である一方で、料理に関しては厳しい姿勢でクオリティを追求する誇り高き料理人です。

 

そんなビムさんの料理を支えるのは、故郷ネパールで培った料理人としてのセンスと泉区の人々の優しさ。

 

繊細な味の背景にあるネパールでの原体験と泉区の魅力について、ビムさんにお聞きしました。

 

 

スパイスの風味を最大限に残しつつ、マイルドな味を追求

 

チャイ立場店のカレーのおいしさの秘訣は、スパイスにあります。スパイスの効いていないカレーは、インドカレーとはいえないというのがビムさんの考えです。そのため、チャイ立場店のカレーには、本場に引けを取らない量のスパイスが使われています。

 

優しいまなざしのビムさん。料理に対する熱い思いを語ってくださいました。

 

「日本人はマイルドなカレーが好きだと考えるインドカレー屋は多くあります。なぜなら、日本人のお客さまは注文時に『どれくらい辛いですか?』と気にされることが多いからです。だから日本にある多くのインドカレー屋では、本場のカレーよりもスパイスの量を控えめにした仕上がりを心がけているようです。しかし、私は日本人のお客さまにもスパイスの良さをわかっていただけると考えました。そのため当店では本場と変わらないスパイスの量を使い、そのぶん時間をかけて丁寧に作っています」

 

とはいえ、日本人がマイルドな味を好むのは事実。本場のスパイシー感を残しつつ、マイルドな味に仕上げるために、ビムさんは約2年の歳月を費やしたといいます。

 

「日本人のお客さまは、唐辛子のように後に残る辛味を苦手とする人は多いかもしれません。しかし、スパイスの辛味は後に残りにくいのが特徴的です。どれくらいのスパイスを加えれば日本人のお客さまにとって一番おいしい味になるのか。実際にお客さまにお聞きしながら、試行錯誤を繰り返して今の味を作り上げました」

 

レディースランチセット(1,150円)。バターチキンカレー、日替わりカレー、生春巻き、サラダ、チーズナン、ソフトドリンク付き。

 

人気メニューのチーズナンにも、スパイスの風味が生かされています。隠し味は企業秘密。一口食べただけでも、チーズの概念が覆されるおいしさが口の中に広がります。

 

「チーズそのものは日本でも普通に手に入るものを使用しています。それに甘みやいろいろなスパイスを加えて独自の味わいを生み出しています」

 

チャイセット(1,390円)。バターチキンカレー、日替わりカレー、ナン、ライス、タンドリーチキン、ガーリックティカ、サラダ、ソフトドリンク付きのお得なセットです。

 

泉区産の野菜もビムさんのカレーの味を引き立てます。この日の日替わりランチカレーに乗っていた菜の花は、泉区の農家である小間園芸さんのもの。小間園芸さんの野菜は味が濃いのが特徴的で、カレーの味にも負けないインパクトがあります。

 

このように素材からこだわるビムさんの味は評判を呼び、毎日のように訪れる常連さんもいるほど。ビムさんのカレーは、泉区の人々に親しまれているようです。

 

 

ネパールの畑で培った料理人としてのセンス

 

繊細な味を生む出すビムさんのセンスは、故郷ネパールで幼少期の頃から培われてきました。ビムさんが生まれ育ったネパールの村では、ほとんどの家が畑を持ち、自給自足の生活を送っていたといいます。ビムさんも小さい頃から採れたての野菜を使って料理に親しんでいました。

 

「年間を通していろいろな野菜やスパイスを自分たちで栽培し、その日に食べる分を収穫しながら暮らしていました。スパイスをどれくらい入れたら風味を感じられるのか、どの程度を超えたら苦すぎるのかといったセンスは実家で培われましたね」

 

風邪をひいたときにも畑にあるスパイスを活用して体調を整えていたと話すビムさん。小さい頃は近くに病院が少なかったため、温かい牛乳にターメリックを1さじ混ぜて飲むのが薬代わりだったそうです。

 

ヒンドゥー教の神様がまつられているコーナー。

 

食材やおかずをご近所さんと分け合うのも、ネパールの田舎では当たり前の文化。肉も自給自足が基本で、家畜をさばくときにはご近所さんを呼び合って、その場で値段を決めて分け合っていたそうです。

 

「野菜はただでもらえることが多かったですね。『今日はカリフラワーがたくさん採れたから持って帰る?おいしいおかずも作ったよ。はいどうぞ』みたいな感じでした。ネパールでは、地域の人々が助け合いながら暮らしていたんです」

 

ビムさんが生み出す繊細な味の背景には、ネパールの畑で培った原体験があったようです。

 

 

マインドチェンジのきっかけとなった泉区の人々の優しさ

 

温かい人情の中で料理の楽しさに目覚めたビムさんは、自然と料理人を志すように。修行を積むために選んだのは、ドバイの一流ホテル。そこであらゆる料理の技術を身につけながら、料理人としての階段を一つ一つ上っていきました。

 

「日本で働くことを意識し始めたのは、先に訪日していた料理人の兄の勧めがきっかけです。日本のビザは条件がいいから、家族で一緒に日本に住むことができるよと。その点は魅力的でしたが、日本語ができなかったのとホテルの仕事に誇りを持っていたので、1年間悩み続けました」

 

ビムさんと一緒に働くチャイ立場店の皆さん。スタッフの方が綴るお店のブログは、温かくてコミカルな日常であふれています。

 

家族との幸せを考えたビムさんは、覚悟を決めて来日。しかし、日本に来てから数年間はネパールに帰りたいと悩む日々が続いたといいます。

 

「私はドバイのホテルで学んできたルールや、お客さまを第一に考える価値観を大切にしながら働きたいと考えていました。しかし、来日後2年間は、そのような働き方を実現することはできませんでした。オーナーと意見が衝突することも多く、2~3ヵ月に1回のペースで働くお店を変えていました」

 

そんな中、ビムさんの価値観を尊重してくれるチャイ立場店のオーナーさんと出会い、泉区で働くことを決意。

 

また、泉区の人々の優しさもビムさんの気持ちに変化をもたらしました。

 

色彩豊かな異国情緒あふれる店内。ランプシェードの手すき紙は、ビムさんが生まれ育ったネパール製です。

 

「泉区のお客さまには本当に助けていただきました。今のお店で働き始めた当初はあまり日本語が分からなかったので、接客のときに困ることも多かったのですが、周りのお客さまがフォローしてくれました。泉区の人々は、とても優しいですね。街中ですれ違ったときも『カレー屋さん、元気?遅くまで大変だね。がんばってね』と皆さんが声をかけてくれます。本当にありがたいですね。他の地域でも働いたことがありますが、こんなに優しくしてもらえたのは泉区が初めてです」

 

そんな泉区の人々の優しさに触れて、日本語も頑張って覚えようと思えたそうです。

 

「一度に全てを変えることはできないので、少しずつ少しずつマインドをチェンジしました。2014年の3月に泉区に来てから8年が経ち、今年で9年目に入ります。子どもたち2人は日本で生まれ、すっかり日本での生活になじんでいます。子どもたちの人生を考えると、勉強面などの環境も充実している日本でずっと暮らせたらいいなと思いますね。優しい人たちに囲まれて、家族一緒に暮らすことができて、今はとても幸せです」

 

泉区の人々の優しさに支えられて、これからも街の人々に愛されるカレーを求めビムさんの挑戦は続きます。

 

チャイ立場店の外観。大きく分かりやすい看板が目印。

 

 

【Chai 立場店(チャイ)】
住所:神奈川県横浜市泉区中田北1-1-3 アークヒルズいずみ 2F
アクセス:横浜市営地下鉄 立場駅から徒歩3分
営業時間:11:00~15:00、17:00~22:30
定休日:年中無休
電話番号:045-800-6045
ブログ:https://ameblo.jp/namastechan

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