ロゴ画像:いずみ くらし

子どもたちを支える「満福いずみ食堂」

横浜市営地下鉄「中田」駅徒歩2分の便利な場所にある「満福いずみ食堂」。現在はお弁当対応で、毎月第2・4木曜日17時~19時30分に開かれています。私は以前からこの活動を知っており、活動を動画で紹介するなどして応援してきました。地域の子どもたちや大人にも親しまれている満福いずみ食堂をご紹介します。

 

 

 

皆に愛されている子ども食堂

 

満福いずみ食堂を訪れると、女性、男性、子ども達が次々買っていきます。女の子が「いつもあったかいお弁当ありがとう」と感謝のことばを言っていました。

 

 

 

購入したお弁当とお土産

 

この日のメニューは豚の生姜焼きやナポリタン。私も3個購入して家族で食べました。とてもおいしかったです。

 

なぜ子ども食堂を始めようと思ったのか、代表の飯野さんにお聞きしました。

 

分担してお弁当をつくります

 

「『子どもの貧困』という言葉はあるものの、簡単に周りの人がわかるものではありません。わからないから困窮者は見えないと思うことが、貧困の事態をより厳しくすると考えます。こうした考えのもと、『子ども食堂』というだけでなく誰でも訪れてもらえる地域食堂としてスタートしようと決めました。その中でも『子どもが一人で食べに来られる』ことをきちんとアピールしています」

 

 

日本、横浜市の子どもの貧困状況

 

子ども食堂は全国で最近急激に増えています。多くの子ども達が食事を食べられるようになることは良いことに違いありませんが、日本の子どもの貧困率が上がっていることの裏返しでもあります。厚生労働省の2019年国民生活基礎調査(※1)によると、日本における「子どもの貧困率」は13.5%に上ります。7人に1人が貧困状態にあるのです。OECD平均12.8%(※2)を上回っています。母子家庭など、シングルで子育てをしている世帯では48.1%に上ります。

 

OECDのデータによると、日本の子どもの貧困率は42カ国中21番目に高く、ひとり親世帯の貧困率では、韓国、ブラジルに次いで3番目となっています。世界的にみても貧困率が高く、“貧困大国”ともいえる状況です。ここでいう「子どもの貧困」は、中間的な所得の半分に満たない家庭(最新の2018年のデータでは4人家族で年収253万円以下)で暮らす子どもたちのことを指します。

 

横浜市において国の貧困線を下回る水準で生活する子どもの割合は、5歳児が 6.1%、小学5年生が 7.8%、中学2年生が6.9%となっています(※3)。また、「子どもがいる現役世帯のうち、ひとり親世帯に含まれる世帯員の中で、貧困線を下回る世帯で生活する方の割合」は5歳児、小学5年生、中学2年生がいる世帯ではそれぞれ、38.6%、39.2%、28.2%となっており、ひとり親世帯の状況は、依然として厳しい水準にあります。

 

 

 

コロナ禍での現状

 

さまざまなボランティアが活動している

 

コロナ禍で、食堂がお弁当に変わってはいますが、活動は順調のようです。「現在、フードバンクかながわから提供いただいた米やレトルト食品等の食料品も必要な方にお渡ししています。開催日が近づくと野菜やお菓子などを地域の方からご提供いただき、スタッフにも恵まれ安定した運営を続けています。6年にわたって続けてきたことで地域に認知されてきたことを実感しています。一方、さまざまな困難を抱えている人には、必要な情報も届きにくい傾向があります。地域や区役所やケアプラザでアウトリーチの取り組みが必要ですし、そのうえで地域食堂やフードバンクと連携を図れる仕組みをもっと見えるように作っていくことが必要だと考えます」(飯野さん)とのことでした。

 

 

ボランテイアの人々が支えています

 

ボランテイアの皆さん

 

私は当初、子ども食堂は公園などで行われる炊き出しと同じように困っている人が行くもので、困っていない人が行くと困っている人の分がなくなると思い、行きませんでした。しかし、スタッフの一人から売り上げが次回の材料費になると聞いて、時々利用させてもらうようになりました。この記事を読んでいる人の中でも、そう思っていた人もいるのではないでしょうか。ぜひ積極的に利用してほしいと思います。

 

あと、子どもには食事の安心だけでなく、学ぶ楽しさも知ってほしいです。私は工学博士でプログラミングなど得意なので、なにか役立てればと思っています。

 

地域には、多種多様な特技をもった人材がいるので、子ども食堂に食べる以外のメニューがあれば、お弁当以外の目的でも来やすくなり、子どもへの接点が増え、本当に食事を必要とする子どもに届く間口も広がると思うからです。

 

 

 

※1  厚生労働省 2019年 国民生活基礎調査の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/index.html

 

※2 OECDレポート
https://www.oecd.org/els/CO_2_2_Child_Poverty.pdf

 

※3 第2期横浜市子どもの貧困対策に関する計画 素案 こども青少年局
https://www.city.yokohama.lg.jp/shikai/kiroku/katsudo/r2/kokyo2020R02.files/j4-20210315-kd-43.pdf

 

 

##ライタークレジット:
写真・文 = 藤田 耕作(泉区ローカルライター)

 

##Information:
満福いずみ食堂
住所:横浜市泉区中田東3-15-9
満福こども食堂(Facebook)
https://www.facebook.com/満福こども食堂-1551325851826851/
満福こども食堂さん (Twitter)

PR動画 満福いずみ食堂 子ども食堂 横浜市 泉区 中田町 お弁当 テイクアウト – YouTube

 

 

 

※このコーナーの記事は、泉区が大好きな「泉区ローカルライター」が、区民の目線で取材し、執筆しています。

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