ロゴ画像:いずみ くらし

Patisserie La Verdure

ぱてぃすりー・ら・べるでゅーる

ジャンル
菓子・アイスクリーム
営業時間
10:00~19:00
休業日
月曜日(定休日が祝日の場合、翌日休み)
住所
泉区緑園5-29-20
TEL
045-811-5123
HP
http://www.verdure.co.jp
推薦者
小林 幹之助(生産者/瀬谷区相沢町)
  • 写真:Patisserie La Verdure 1
  • 写真:Patisserie La Verdure 2
  • 写真:Patisserie La Verdure 3
  • 写真:Patisserie La Verdure 4
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「お客様に喜んでもらうために1番大切なことは何か」。洋菓子業界を牽引するパティスリー「La Verdure」の志

 

 

 

木漏れ日が優しく降り注ぐ美しい街並みの一角に、おとぎ話に出てくるような外観の建物があります。

 

フランス語で「緑の街」を意味するPatisserie La Verdure(パティスリー・ラ・ベルデュール)は、県外からもお客さんが訪れる人気のパティスリー。その店名には、緑あふれる街「緑園都市」に根差し、愛されるお店になりたいという願いが込められています。

 

店内には、ケーキや焼き菓子に加え、ショコラやジェラートまで、あらゆる洋菓子がずらり。お店に向かう道中も、どのお菓子にしようか迷う時間も、全てがワクワクする幸せなひと時です。

 

オーナーの服部 明(はっとりあきら)さんは、国内外のコンテストで数々の受賞歴を持ち、業界を牽引するパティシエの一人。銀座にある名店を経て、自然豊かな環境でお菓子作りがしたいと、1995年にこの地で創業しました。

 

愛され続けるお店を経営する服部さんに、お菓子作りや店作りに対する思いを伺いました。

 

 

お菓子作りの基本は、シンプルに食材の品質と鮮度を追求すること

 

ラ・ベルデュールのお菓子作りの基本は、食材の品質と鮮度の追求です。

 

服部さんが考える良い食材の基準は、極力添加物が使われていないこと。かつ、プロとしてさまざまな食材を知り尽くしている自分の味覚で、おいしいと感じられることです。

 

そんな服部さんのこだわりが反映された逸品が、定番のモンブランです。

 

左奥:モンブラン(486円)、右奥:ショートケーキ(356円)、手前:プランタン(464円)。どのケーキもしっかりとした味わいでありながら、軽い口どけが魅力。

 

「おいしいモンブランを作るためには、栗自体の味が良いことが第一条件です。さらに、その栗を最高のタイミングで収穫してもらう必要があります。なぜなら、旬を過ぎて収穫された栗は味が劣化してしまい、栗の風味さえしなくなるからです。当店では、一番いいタイミングで収穫してもらった栗を瞬間冷凍させて、使っています。そうすると、栗の風味を最高の状態でキープすることができるんです。契約農家さんとは10年来の付き合いで、収穫量のほぼ全てを当店で使わせていただいています」

 

「パヴェ・ドゥ・ショコラ パッション」(1,080円)。パッションフルーツの香りとまろやかな酸味が爽やかな逸品。

 

こちらの生チョコレートには、横浜市瀬谷区で生産されたパッションフルーツが使われています。品質には妥協しないと話す服部さんですが、瀬谷区のパッションフルーツは、本場の沖縄産と比べても同等以上だったといいます。

 

「当店では、クリスマスになると1日に数千台のホールケーキを焼くのですが、作り置きはせずに当日焼いています。材料の品質を落としたり、工程を省いたりして妥協するよりも、自分自身が納得できるおいしいものを提供し続けていきたいと思っています」

 

 

興味のあることは全力で。服部さんの飽くなき探求心

 

徹底した品質管理で菓子作りに取り組む服部さんですが、その原動力となっているのは、幼少期の頃から変わらない探求心です。服部さんは「興味のあることは全力で臨みたい性格」と、ご自身を分析します。

 

「日本一厳しいと言われる銀座の店で修業していたときも、菓子作りのことは全て吸収したいと、歯を食いしばって学び続けました。肩ひじを張ってやっているというよりは、自然に探求してしまう感じです。納得できるまでやらないと、自分自身が落ち着かないんです」

 

優しい表情と柔らかい物腰が印象的な服部明さん。従業員の皆さんにも丁寧に穏やかに接しています。

 

食材探しに限らず、幅広い菓子作りに挑戦しているのも、飽くなき探求心があるからです。日本のパティスリーといえば、ケーキや焼き菓子といったラインナップが中心。しかし、ヨーロッパのパティスリーでは、ジェラートやチョコレートに加え、総菜も売られているのも珍しくないのだとか。

 

「人々の生活に根差すヨーロッパのパティスリーに影響を受け、当店でも創業時からジェラートやチョコレートを販売しています。ジェラートは15年間赤字続きでしたが、多様な選択肢をご提供することで、お客様に喜んでいただきたかったんです。2015年には、日本のジェラート業界を盛り上げたいと思い、ジェラートの東アジア大会に出場しました。周りからの反対もありましたが、スタッフの協力もあり、グランプリを取ることができました」

 

つやつやときらめく、宝石のようなチョコレート。横浜駅にある新店舗「BLUE CACAO(ブルーカカオ)」やオンラインでも購入可能です。

 

ジェラートに加え、服部さんはチョコレートでも世界的に評価されています。パリで開催されている世界最大級のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」では、3年連続で最高位を受賞。この賞に挑戦したのは、日本のチョコレートの魅力を国内外で認めてもらうためでした。

 

「日本のパティシエも、本場の職人に負けない技術力を持っています。しかし、どうしても知名度で負けてしまっているので、日本のパティシエの実力を国内外に示したかったんです」

 

その実力が認められ、2020年6月には横浜駅直結の商業施設「CIAL横浜」に新ブランド「BLUE CACAO(ブルーカカオ)」を開店。こちらもお客様に好評だといいます。

 

「いずれは洋菓子のテーマパークのようなお店を作りたいんです。だからベルギーのチョコレート博物館に視察に行ったり、イタリアのアイスクリーム博物館に行ったり。僕は昔から、一見不可能に思えるような夢のあることを考えてしまう性格なんですよ。1度しかない人生ですから悔いなく生きる。そんな志でやっています」

 

 

人として誠実に生きる。一流パティシエを支える教え

 

「BLUE CACAO(ブルーカカオ)」の展開に加え、泉区内でパン専門店も経営するなど、多角的な事業展開を行う服部さん。ラ・ベルデュール自体も、常時30人ほどのパティシエを抱える大型店です。しかし、服部さんには多店舗展開しているという感覚はないそう。お客様のことを一番に考えた結果、今の形に落ち着いただけだといいます。

 

お客さんに喜んでもらうために一番大切なことは何か。
サービスを提供する従業員が、幸せに働くためにはどうすればいいのか。
パティシエ業界が今後も繁栄していくためにできることはないのか。

 

そうした自分を取り巻く人々の役に立てるのかどうかを、服部さんは第一に考えています。

 

ラ・ベルデュールの店内。平日でも次々とお客さんが訪れます。

 

ラ・ベルデュールで多くのパティシエさんを雇っているのは、お客様に魅力のある豊富な洋菓子を提供するため。パン部門を独立させ、パン専門店を別に構えたのは、混雑を緩和してお客様を待たせないため。

 

そして、チョコレートに力を入れている理由の一つは、パティシエの労働環境を改善するモデルケースとなるためだそう。

 

「チョコレートは生菓子より長持ちするので、計画生産がしやすいお菓子です。生菓子はどうしても朝早くから作り始めなければならないので、パティシエは過重労働になる傾向があります。当店では、お客様の増加と共にパティシエの人数を増やし、一人一人の業務負担を軽減するようにしています。やればできることを当店が証明して、業界が直面している課題を解決していきたいですね」

 

定番商品に加え、サバランやミルフィーユなど、豊富な種類のケーキが常時並んでいます。

 

そんな服部さんを支えているのは、お父様から授かった教えです。その教えに従い、服部さんは誠心誠意、心を込めて、お菓子作りに取り組んでいます。

 

「強く正しく生きてほしい。それが父からの教えです。父は経営者だった祖父のもとに生まれ、何不自由なく育ったそうです。しかし、戦災で一家離散となった後は、本当に苦労しながら家族を養ってくれました。私は幼稚園時代から憧れていたパティシエとなり、父とは違う道を歩んでいます。しかし、父には生きていく上で大切な人としての考え方を教えてもらいました。その教えは、私の中で確実に受け継がれています」

 

人として正しい道を選び、より良く生きる。
これからも、服部さんの挑戦は続きます。

 

真剣な表情で働くパティシエの皆さん。この奥にも複数の厨房があり、服部さんのレシピが忠実に再現されています。

 

 

【Patisserie La Verdure(パティスリー・ラ・ベルデュール)】
住所:神奈川県横浜市泉区緑園5-29-20
アクセス:相鉄いずみ野線緑園都市駅から徒歩10分
営業時間:10:00~19:00  ※年末年始は要確認
定休日:月曜日(定休日が祝日の場合翌日休み)
電話番号:045-811-5123
HP: https://verdure.co.jp/

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