ロゴ画像:いずみ くらし

お客さまに笑顔になってほしい!地域の食材が登場するスイーツのお店「白嬉」

2000年生まれの若いふたりが、いずみ野駅からほど近くにおしゃれなカフェ「白嬉(しろき)」をオープンしました。いずみ野で生まれ育ったオーナーが、地域の生産者の食材でスイーツを作っていることを聞いた私は、あふれる地元愛のお話を期待して取材に向かいました。「地域のお客さまに笑顔で帰って欲しい」と話すふたりは、お客さまの満足を考え抜いた末に地元の良質な農産物にたどり着いていました。

 

オーナーのふたり、共に泉区在住。いずみ野小・いずみ野中出身の大月里那子(おおつきりなこ)さん(写真右)。静岡県出身の沖田悠也(おきたゆうや)さん(写真左)。ふたりは同じ専門学校のパティシエ科を卒業しています*

 

 

一番のおすすめはカヌレ

 

いずみ野駅から北側に位置する住宅街へ向かうと、ひっそりとたたずむカフェ「白嬉」があらわれます。素朴ないずみ野のまちに溶け込むおしゃれな外観。中に入るとコーヒーの香ばしい香りがただよっていました。店内は白が基調。木目調のテーブルや椅子があたたかみのある灯りに照らされています。陽だまりのような心地よさです。

 

外観。ウッドフェンスの内側にはテラス席が4席あります。テラス席のみペット同伴可

 

店内はテーブル3つ×2席と、カウンターが3席あります

 

この日はおすすめのカヌレと「季節の焼き込みタルト〜柿〜」を注文。飲み物は冬限定のブレンドをチョイスしました。

 

カヌレの外側はパリパリで、中はしっとりもっちり。「フォークが刺さらないので、手で割って食べるか、かじりつくのがおすすめです」とスイーツ担当の大月さん。ラム酒がほんのり香る上品なカヌレは優しい甘さ。もう一つ食べたくなりました。

 

季節の焼き込みタルトはドライフルーツを思わせる弾力のある歯ごたえの柿と、サクサクのクランブルがいいコンビネーション。大月さんは干し柿が好きで、柿を干し柿に近い食感にするためにオーブンで焼いてからスイーツにしたとのこと。冬限定のブレンドはフルーティーな香りがして、さっぱりとした後味でした。

 

カヌレ(300円)と季節の焼き込みタルト~柿~(500円)、冬限定のブレンド(600円)すべて税込み。幸せな時間でした!

 

ハンドドリップコーヒー(600円)もいただきました。注文後に豆を挽き、ハンドドリップで提供します。淹れてくれたのはコーヒー担当の沖田さん*

 

焼き菓子の販売もあります。塩麴を使ったフィナンシェがおすすめ。箱に入れて贈り物にもできます*

 

 

「おいしくて安全なものを」たどりついたのは地域の生産者でした

 

白嬉のスイーツは野菜直売店横山(泉区和泉町)の冬のみかんやさつまいも、さんや農園(同)の夏のブルーベリーや秋の柿、大矢養鶏(同)の卵などを使って作っています。先ほど登場した季節の焼き込みタルトの主役である柿は、さんや農園から仕入れたものを使用。今後も泉区内の新しい生産者との出会いを求めて、近々いちご農家を見学予定です。

 

お客さまを大切に!という想いは、おいしくて安全な食材へのこだわりになり、顔が見える生産者からの仕入れにつながりました。ふたりは生産者のもとへ直接出向いて話を聞き、味を確かめ、コミュニケーションを楽しみながら食材を選んでいるとのこと。取引のある農家さんは、一番いい時期に品質のいい農産物を卸して白嬉を応援しています。また、農家同士のつながりで他の農家さんの農産物を紹介してもらうこともあるそうです。手間と時間はかかりますが、信頼のおける生産者から仕入れることで、一つひとつのスイーツを、自信をもってショーケースに並べることができるのでしょう。

 

ある日のショーケース。みかんと柿、卵は地域の生産者のものが使われています

 

大月さんはいずみ野小学校・いずみ野中学校の出身です。小学生時代にはいずみ野小学校で米作りを体験。朝練の野菜作り部活動「野菜から学び隊」に所属し、さつまいもを育てた経験があります。大月さんの小学校での原体験が、生産者へのリスペクトにつながり、地元農産物の積極的な仕入れに少なからず影響しているのではないかと私は感じました。

 

 

あなたのためのスイーツ

 

白嬉ではお客さまからのリクエストで作られたスイーツがショーケースに並びます。「お客さまが喜んでくださることが一番嬉しいです」と微笑む大月さんらしいおもてなしです。私がいただいたモンブランタルトはまさにお客さまからのリクエストがきっかけで、試行錯誤を重ねて商品化したものでした。

 

モンブランタルト。栗のペースト、生クリーム、スポンジ、渋皮煮の栗、タルト生地を6層に重ねたケーキ。層の中の渋皮煮の栗が分厚いカットで入っていて、どこを食べても栗を感じました。プロの計算されたバランスの良さに感動

 

リクエストは常に大月さんの頭にストックされ、次はどうやってお客さまの希望を叶えようかと日々やりがいを感じているそうです。

 

ほかにも予約限定の「焼きたてカヌレの提供」や「パンナコッタのフルーツ指定」など白嬉らしい細かい心配りが、来店の楽しみを増やしてくれます。さんや農園のブルーベリーは、ブルーベリーのパンナコッタを食べたいというお客さまからのリクエストで仕入れ始めました。白嬉のスイーツの美味しさによって地元農産物の魅力を発見することもありそうです。

 

 

地域コミュニティと共に

 

2023年7月にオープンした白嬉。オープン前の告知は、店舗前に掲げたお知らせとインスタグラムのみでした。最初にたくさんのお客さまを受け入れるのではなく、丁寧なスイーツ作りや接客をして、地域コミュニティの中でだんだんと広がってくれたらいい、と考えていたそうです。

 

オープンから半年を迎え沖田さんは「泉区は地域のつながりが根づいているまち。地域の中で、白嬉は少しずつ知られるようになりました。今はお客さまとのコミュニケーションがやりがいになっています」と話します。大月さんは「生まれ育っていなかったとしても、このまちで店舗を構えていたかもしれません。便利さもある中で、畑や養鶏場があり場所としてとても魅力的」と泉区愛を語ってくれました。

 

ふたりは、地域の人と人との距離の温かさを楽しんでいるように見えました。お店に行ったらぜひオーナーふたりとの会話も楽しんでください。

 

取材中に淹れていただいたコーヒー。私と同行のライター(一柳さん)のカップの見分けがつくように、沖田さんがさりげなくマジックで名前を入れてくれました。気遣いに感動しました!

 

取材に行った時はちょうどいずみ野中学校の職業体験を受け入れていました。「私たちは中学生と年齢が近いので、何かお役に立てたら」と大月さん。中学生は注文の品物の提供やテーブルの清掃を体験していました。白嬉は地域のための取り組みも少しずつ広げています*

 

 

##ライタークレジット:

写真・文=松本 裕美枝(泉区ローカルライター)

写真(*表示のあるもの)=一柳 亮太(泉区ローカルライター)

 

 

##Information

白嬉(しろき)

住所:横浜市泉区和泉町6224

営業時間:8:00〜17:00(木曜日のみ12:00〜open)

定休日:水曜日

※定休日は変更する場合があります。HPでご確認ください

メール:info@shirokilog.com

 

白嬉ホームページ:shirokilog.com

オンラインショッピングサイト:https://www.creema.jp/c/shirokicafe

Instagram:https://www.instagram.com/shiroki_cafe/

 

 

※このコーナーの記事は、泉区が大好きな「泉区ローカルライター」が、区民の目線で取材し、執筆しています。

記事
一覧をみる
ページのトップに移動するリンクアイコン