地域でつながる子育ての輪 「泉区地域子育て支援拠点 すきっぷ」に遊びに行こう!
泉区の「すきっぷ」は、相鉄いずみ野線いずみ中央駅すぐにある公共の子育て支援施設です。お子さんを遊ばせながら区内の子育て情報を集めるのにもぴったり。親子で遊べるイベントはもちろん、マタニティさんやパパさん向けのイベントもあります。
すきっぷは筆者がこれまで利用してきた子どもと一緒に遊べる施設のなかでも、特に親しみやすさが感じられた場所です。そっと寄り添ってくれるようなコミュニケーションが温かく、初めて利用した際に親子のひろばで子どもとともにとても優しく迎え入れていただいたのを覚えています。
今回は親子ひろばの責任者である杉山さんにすきっぷの魅力、楽しみ方についてお聞きしました。
電車が見える親子ひろば
育児について相談できる場所が欲しいと感じて利用したすきっぷ。利用する度に子どもも「楽しかった〜!また遊びに行きたい!」と言ってくれるので、気楽に遊べる場所として何度か利用しています。今回取材したいと思ったきっかけは「すきっぷの楽しみ方についてもっと知りたい」と感じたからです。
すきっぷはいずみ中央駅を区役所方面に出ると、左手すぐにあります。テアトルフォンテと隣接している建物で、1階は横浜子育てサポートシステム泉区支部事務所、ベビーカー置き場、2階が親子で遊べるひろばになっています。
横浜市が行っている「横浜子育てサポートシステム」の説明会もすきっぷで行われていて、サポートを利用して、親子のひろばで預かってもらうこともできるそうです。
ベビーカーで来館する場合は、1階に置くスペースがあります。
2階の親子のひろばは、いずみ中央駅に発着する電車が見えるのでお子さんに大人気です。
いずみ中央駅に来る電車を見ては「あ!電車!」と楽しそうに指を指しているお子さんが多く、おもちゃで遊びながら電車を待っている子もいました。
コロナ禍は予約が必要だった親子のひろばも、今は予約なしで利用ができるようになり、筆者が利用していた2021年頃よりも利用者が増えているように感じます。今回お話を伺った杉山さんによると、すきっぷの利用者はきょうだい連れも多く、土曜日はお子さんと遊びに来ているパパさんも多いそうです。
親子のひろばにはすべり台やおままごとキッチンがあり、赤ちゃん用スペースは仕切られているので小さなお子さんも安心して過ごすことが出来ます。
先輩パパママから学べる「おしえてコーナー」
親子のひろばには、先輩パパママからの意見を取り入れた「おしえてコーナー」が設置されていました。おしえてコーナーは、育児中に感じたことや経験などを集めて利用者さんたちに共感、気づいてもらうのを目的に設置されているそうです。スタッフが、シーズンやイベント、利用者さんが知りたいであろうテーマを出し合っているのだとか。
今回は「育児中のヒヤリハット」について意見を募集していて、育児中なら「あぁ!あるある…!」とつい言ってしまいたくなるリアルな?ものも。「横浜子育てサポートシステムの預かり会員さんやこれから出産される方も、前もって事故防止の対策ができるのではないか」と、スタッフさんからの意見でテーマに選んだそうです。
筆者がはじめてすきっぷを利用したときは「泉区のおすすめスポット」が取り上げられていて、おいしいお店や綺麗に富士山が見える富士見スポットを知りました。利用者さんとのお話でテーマを決めることもあるそうなので、聞きたいことができたらスタッフさんに話しかけてみてもいいかもしれませんね。
多様なイベント企画に、手作りおもちゃも
今回の取材のなかで感じたのは、利用者さんに楽しく過ごしてもらいたいというきめ細やかな心配りや工夫でした。
すきっぷでは、初めて遊びに来た方が周りの利用者さんとも話しやすいよう、スタッフさんが気配りされています。「今日初めて利用されているんですよ〜!」とお声がけすると、先輩ママさんたちから積極的に話しかけてもらえるチャンスもあるそうです。
さらに出産前から楽しめるイベントが多く、マタニティイベントをきっかけに仲良くなった保護者の方同士で遊びに来ている方もいます。筆者も何度か保育園のママさんと一緒に親子のひろばで遊び、子どもたちと夢中で遊びながらママさんとの会話も楽しみました。
杉山さんも「プレママさん、プレパパさんの時期から子育て相談ができる場所づくりとして、ぜひ遊びに来てほしい」とお話してくれました。親子のひろばで開催されているイベントは、マタニティさん向けだけでなく、職場復帰に向けた応援イベントや、悩みがちな離乳食、歯磨き相談などのイベントがあります。
また、親子ひろばで遊べる手作りおもちゃの使い方や作り方を教わったのをきっかけに、話に花が咲くこともあるのだとか。手作りおもちゃは100円ショップなどで手に入る材料で作られていて、安全に遊べるためお子さんにも大人気です。
取材時にも受付に「おもちゃ貸してくださーい」と立ち寄る子や、夢中でホースのおもちゃで遊んでいる子がいました。
周りの方に自分から話しかけるのは苦手……と感じる方も、スタッフさんが「今日はどちらからいらしたんですか?」など親御さんに話しかけに来てくれるので、会話を楽しみつつお子さんと一緒に楽しい時間が過ごせます。スタッフさんたちはお子さんが楽しそうに遊んでいるときは安全に遊べるように見守っています。
よく利用しているSさんは「すきっぷは子どもが好きなおもちゃが多くて、何度来ても飽きない」とお話してくれました。
スタッフさんが気さくに話しかけてくれるので、親のリフレッシュにもなる場所として数カ月に1〜2回ご家族で遊びに来ているそうです。この日も元気いっぱいなMくんと、ニコニコ笑顔なNちゃんが親子ひろばのおもちゃに夢中になっていました。
地域とつながるすきっぷサポーター
すきっぷでは月に1度、背守りやおもちゃを作るボランティア「すきっぷサポーター」が開催されています。ボランティアさんは産休に入られたプレママさんや、ひ孫ちゃんがいるおばあちゃんといった、幅広い年代の方が参加しているそうです。
ボランティアさんが刺繍された背守りを、1歳までのお子さんを連れてすきっぷの登録をしてくれた方にプレゼントしています。背守りにはいろいろなモチーフがあり、動物や縁起のよい柄をボランティアさんが刺繍していて、それぞれ意味があるのだそう。さらに、作ってくれたボランティアさんからの温かいメッセージが添えられています。
育児中は孤独を感じやすい環境でもあるので、このように気持ちに思いやってもらえるのはとても嬉しいのではないでしょうか。背守りの中にはお返事用のメッセージカードも入っているので、嬉しかった気持ちをボランティアさんに伝えられます。お返事をいただいたボランティアさんは、とても嬉しそうにされていたと杉山さん。地域とのつながりが感じられるとても素敵な取り組みだと感じました。
帰りの合図は手遊び歌で
すきっぷでは、毎日閉館が近くなると手遊び歌と大きな絵本を読み聞かせてくれます。手遊び歌が始まる前は、みんなでおもちゃをお片付けしてから親子のひろばの真ん中に大集合。おもちゃに夢中になっていたお子さんたちも、手遊び歌や大きな絵本を読んだら帰る時間だ!と気持ちを切り替えやすいのだとか。
手遊び歌は「いっぽんばしこちょこちょ」や「バスにのって」など、お子さんを膝に乗せて一緒に遊べる歌が多く、覚えると家でも楽しめます。
手遊び歌が終わると、大きな絵本の時間です。この日は、子どもたちに大人気の『だるまさんの』の読み聞かせが始まりました。
『だるまさん』の大きな絵本が出てきた時に、お子さんたちがわっと近寄っていくのは微笑ましい瞬間でした。お膝に乗ったままのお子さんたちも「だ・る・ま・さ・ん・の」と揺られてニコニコ。
すきっぷはママさん、パパさんだけでなく、マタニティさんから遊びに行ける子育て支援施設です。初めて利用する際は勇気がいるかもしれませんが、一歩入れば温かく、そして親子で楽しく過ごせる場所だと感じました。スタッフさんたちも優しく声掛けしてくれるので、子育て中に誰かと話したい!という気持ちを受け止めてもらえます。
すきっぷには、行き届いた気遣いと楽しんでもらいたいと願って作られた手作りおもちゃがあります。子育て中にホッとできる場所なので、ぜひ一度遊びに行かれてはいかがでしょうか。
##ライタークレジット:
写真・文=瀧田 恵利香
##Information:
泉区地域子育て支援拠点 すきっぷ
横浜市泉区和泉中央南5-4-13 相鉄いずみ中央ビル209
電話:045-805-6111
FAX:045-805-6122
メール:skip☆skip-izumi.jp
(☆を@に変えて送ってください)
開館日:火曜~土曜日
時 間:9:00~17:00 親子の居場所(ひろば)は、9:30~15:30
休館日:日曜・月曜・祝日・年末年始
※このコーナーの記事は、泉区が大好きな「泉区ローカルライター」が、区民の目線で取材し、執筆しています。
一覧をみる定番からローカルライターおすすめの場所まで! いろいろな見え方が楽しめる泉区の富士山スポット12カ所を回りました