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薄いピンク色で、やわらかく、甘みのある横浜生まれの豚肉「はまぽーく」

畜産

生後約150日で体重60kgまで成長した豚 生後約150日で体重60kgまで成長した豚。丸太型に近い体型が理想的と言われています。

 
鈴木養豚の親豚はメス・オス合わせて50~60頭。骨格がしっかりした元気な豚を掛け合わせることで、母豚は1回に10頭ほどの子豚を産みます。
これらの子豚は、小麦、トウモロコシ等を混ぜた配合飼料のほか、学校や飲食店から出る余った食材、売れ残ったものなどを原料としたリサイクル飼料で育てられます。「はまぽーく」は食品循環系の「環境にやさしい」豚肉なのです!

 

食品循環資源を原料にした乾燥肥料

食品循環資源を原料にした乾燥肥料。しょうゆのような匂いがします。

 

横浜のブランド豚肉「はまぽーく」誕生

 
食品リサイクルを原料とする飼料と配合飼料で、横浜の生産者が育てる良質な豚が「はまぽーく」です。平成11年度から横浜市の行政指導によって始まった調査研究、食品循環型飼料の豚への給与(えさを与える)試験などを進めた結果、安全性が確認されて「薄いピンク色で、やわらかく甘みのある」横浜生まれの豚肉「はまぽーく」が誕生しました。今から5年ほど前のことです。

 
はまぽーく生肉

 
「はまぽーく」はグループの養豚場から年間5,000~6,000頭が食肉市場に出荷されます。出荷頭数が少ないため、はまぽーく販売店が少ないという課題もありますが、食品循環資源を利用して横浜で育てた良質な豚を「学校給食にも出せるようにしたい」と、生産者グループは日夜努力を続けています。
生産者のひとり鈴木さんは「泉区ファーマーズマーケット『ハマッ子』での月1回のお肉販売日では、多くの人がはまぽーくを購入してくださり、とても感謝しています。」と豚肉の地産地消を喜びながら笑顔で話します。食品加工業者によるはまぽーくロゴマーク付き商品(肉まん、レトルトカレー、シウマイなど)は生産者グループが試食をした上で商品化され販売されています。こちらも、ぜひ御賞味ください。

 

はまぽーくのポークソテー

お肉の味を楽しめるポークソテーにしてみました。甘い脂身と、柔らかい赤みのバランスが絶妙です。

 

飼料を切り替えて良質の豚肉に仕上げる

 
肥育豚には、肥育用豚用配合飼料に、民間の食品リサイクル飼料工場でつくられた乾燥飼料を20パーセント程度混同した餌を食べさせて太らせます。
豚が60キロほどに育ってからは、「はまブレンド」と呼ばれるはまぽーく専用飼料をあたえることで、肉の締まり、脂身の甘み、うまみなどバランスの取れた良質の豚肉に仕上がります。

 

はまぽーく出荷グループ代表の鈴木さん

はまぽーく出荷グループ代表の鈴木さん

 

人と共存できる養豚をめざして

 
横浜の養豚は、戦後間もなくから横浜市全域で始まりました。はまぽーく代表の鈴木孝利さんは養豚経営を父から引継ぎ、約20年。グループ員の大半もその世代ですが現在は、20代の後継者への引継ぎが進んでいます。
生産者は、良質の豚を育てることはもちろん、地域に配慮した環境整備にも力を入れています。豚舎周辺には樹木を植え、給餌設備の改善やオゾン設備の設置、豚舎の水洗消毒など、鳴き声・臭気対策に積極的に取り組んでいます。

 
また、昭和50年代に、横浜市は下水道を利用できるようになったことが、横浜という都市の中で養豚を継続できた大きな要因のひとつと言います。「横浜の畜産業は誇るべきもので、他都市からうらやましがられる環境で豚を育てています。今後も清潔な豚舎で健康な豚を育て、人とまちと共存できる養豚にしたい」と鈴木さんは語ります。
学校給食やレストランの余ったものが豚の餌になり、おいしい豚肉になることを伝えるため、小学校に出向いて楽しい食育授業も行います。「“子供達においしい豚肉を食べさせたい”がグループの理念でもあり、豚舎近隣の住民の理解は欠かせません。」

 

清潔に保たれた豚舎で、陽射しを浴びながら元気に育つはまぽーく

出典:いずみ自慢 2009年冬号(12月発行)

掲載内容は発行時のものであり、現在と内容が異なる場合があります。

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