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泉区三大伝統文化:岡津太鼓の練習に直撃してみた

泉区の伝統文化、岡津太鼓にはどのような歴史があるのでしょうか。また、どのような雰囲気の団体なのでしょうか。実際に練習にお邪魔してきました。

 

大太鼓の練習をする小原基義さん

 

はじめまして!

泉区ローカルライターのめぐみん🌱です。

 

さて、突然ですが、泉区の三大伝統文化と言えば…横浜いずみ歌舞伎と相模凧と…? そう! 太鼓・お囃子!

 

伝統と聞くとワクワクせずにはいられない筆者(笑)

というわけで本日は泉郷土芸能保存会に所属する岡津太鼓さんにお話を伺って来ました!

 

 

モットーは「明るく!楽しく!元気よく!」

 

2024年11月3日 泉区民ふれあいまつり岡津太鼓のみなさま

 

彼らのモットーはとにかく『明るく!楽しく!元気よく!』。これは、泉郷土芸能保存会の伊藤好男会長の思いです。「社会に出たら暗い顔をして仕事しちゃダメでしょう。明るく元気よくしないといけない。どんな社会にも、世界にも通じるよ」とメンバーには必ず伝えているそうです。

 

現在20名以上が所属し、泉区の伝統文化の普及・継承の一役を担う岡津太鼓ですが、その歴史は28年前(2024年時点より)に遡ります。

 

当時、泉区民の間でこんな話がありました。毎年行われる盆祭り。太鼓はいつも、瀬谷区や旭区など周りの区にお願いしてたたきに来ていただいています。「でも、自分たちのお祭りは自分たちでたたきたい!」泉区でも太鼓の練習ができる団体を作ろう。その思いから1997年5月、泉区岡津町を中心に活動する団体として「岡津太鼓」が発足しました。

 

最初の2年間は盆祭りのみの演奏でしたが、「もっと活動の幅を広げたい!」とのメンバーの思いから、創作太鼓(伝統的な和太鼓の演奏方法を基にしつつ、現代的な要素や新しい楽曲を取り入れた和太鼓の演奏方法)も開始しました。これにより、区のイベントにも出演するようになります。

 

発足から丸28年が経ち、コロナ禍による活動制限も乗り越え、盆祭りでの演奏はもちろん神社のお囃子やイベントのオープニング演奏なども担当。5月5日のいずみ相模凧揚げ会、6月の太鼓・お囃子フェスティバル、10月の横浜いずみ歌舞伎公演など毎年出演するイベントも増え、年間の出演数は約40イベントにものぼります。

 

活動範囲も泉区内にとどまらず、戸塚区のトツカーナ新春祝い太鼓や中区の大さん橋の客船の歓送演奏など、横浜市全体で活躍する団体になりました。

 

 

温かい雰囲気…でも練習が始まると⁉︎

 

ドン! ドドドン!

 

毎週火曜日の夜、いつもは静かな横浜市立岡津中学校に迫力のある音が鳴り響きます。そう、岡津太鼓の練習です。さっそく入ってみましょう。

 

構内の階段を上がるとそこには14台もの太鼓が! 大太鼓、締め太鼓、長胴太鼓とたくさんの種類が並んでいます。そこには小学生から80歳近い方まで20人以上のメンバーが集まり、荷物置き場で和やかに談笑したり、数名で集まって自主練をしたりして過ごしていました。

 

親子で参加される方々も多いそうです。筆者が最初、親子と勘違いしてしまう方もいたほど、幅広い世代の方々が仲良く交流され、全体的に温かく家族のような雰囲気でした。

 

佐渡のプロ和太鼓集団「鼓童」への入団テストを受験中のメンバーもおり、そのメンバーに対して「受かっているといいな」とまるで自分ごとのように話す場面も見受けられました。

 

しかし、練習が始まると一変、ピリッとした真剣ムードに。

 

前列:長銅太鼓、後列:締め太鼓、奥:大太鼓、手前:チャッパ

 

「はっ!」

 

その掛け声を合図に、それまで各々の練習でバラバラのリズムを刻んでいた14台の太鼓とチャッパ(金楽器)が1つの音楽を奏ではじめます。

 

ドン!ドドドン・ドドドン・ドドドン!

 

演奏中の動きも全員が同じスピード、同じ角度、同じリズムで、まるで14人が1人の同じ人間のような演出。その迫力に撮影中の筆者も思わず息を詰めて聴き入ってしまいました。演奏が終わり、ほっと空気が緩むのも束の間、先生からの指導が入ります。

 

一言も逃すまいと真剣に聞き入るみなさん

 

曲と曲の入れ替えや、太鼓の台数の関係で待ち時間になっている合間も、足やバチで音を取るなど1秒も無駄にせず、吸収しようとする姿勢は崩れません。

 

待ち時間にバチや足で音をとって練習するみなさん

 

そして約2時間の練習が終わると、全員が協力しあっての片付けが始まります。2人で1つの太鼓を運ぶのですが、「誰かこっち側持って〜」「台車取ってくるねー」などの声があちこちで飛び交っていました。

 

筆者も太鼓を持たせていただいたのですが、想像以上に重く、あとから調べたところによると製品にもよりますが10〜20kgほどあるそうです。

 

そんな中、筆者が特に注目したのはメンバーの姿勢!年配層のみなさんも含めて、全員背筋がピンとして、重心を取った歩き方をしています。当日、最高齢のメンバーはなんと79歳だそうで、1期生で岡津太鼓に入り28年目。とても姿勢が良く、にこやかで生き生きとされていて、「若さの秘訣は太鼓かもね〜」と笑ってお話してくださいました。

 

メンバーの皆さんからは、「最初は集会所で練習をしていたけど、音の問題があって…中学校が場所を貸してくださったおかげで思いっきり練習できるんです! 岡津中学校には本当に感謝しています」といった感謝の声も。

 

 

年初の公演で迫力を実感!

 

地域に根付き、文化を支えていく若い層も多い。これからさらに発展していく団体だなと感じました。歴史とともに受け継がれてきたこの伝統が、どのように次世代へと繋がるのか、読者のみなさんにも、その面白さをぜひ感じていただきたいです。この記事を通して、岡津太鼓の思いや魅力が少しでも伝われば嬉しく思います。

 

でも、百聞は一見にしかず、百見は一体験にしかず。ぜひ公演や体験に足を運んでみてください。その一歩が人生を変える一歩になるかもしれませんよ。

 

2024年1月3日 戸塚区トツカーナ新春祝い太鼓(岡津太鼓提供)

 

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##ライタークレジット:

写真・文=めぐみん🌱

 

##Information

岡津太鼓

活動場所:横浜市立 岡津中学校 イエローホール2階

活動日 :毎週火曜日 ※盆祭りだけ参加の夏だけ会員制度も有

活動時間:18:00〜20:30

対象年齢:小学校1年生〜50歳まで(入会時)

TEL  :090-3348-9815

メールアドレス:okazudaiko@gmail.com

URL  :https://okazudaiko.amebaownd.com/pages/2679816/static

SNS  :https://www.instagram.com/okazudaiko/

 

1月3日(金)新春祝い太鼓@トツカーナ

1月6日(月)相模凧揚げの時の太鼓・お囃子にも演奏予定

 

※このコーナーの記事は、泉区が大好きな「泉区ローカルライター」が、区民の目線で取材し、執筆しています。

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